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第四 アベマリヤの事

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弟:デウスに對し奉りてのみ、オラシヨを申すべきや。
師:その儀にあらず。我らが御取り合わせ手にて御坐ます諸々のベアトの中にも、惡人の爲に仲立ちとなり給ふ御母ビルゼンサンタマリヤ(聖乙女マリヤ)にもオラシヨを申すなり。

キリスト


弟:ビルゼンサンタマリヤに申し上げ奉る定まりたるオラシヨ有りや。
師:アベマリヤと云ふオラシヨなり。只今教ゆべし。

「ガラサ充ち満ち給ふ†マリヤ(Maria)に御礼を為し奉る。御あるじは、御身と共に御坐ます。女人の中に於ゐて†ベネジータ(ベツレヘム)にて渡らせ給ふ。また、御胎内の御實にて御坐ますゼズは、ベネジータにて御坐ます。神の御母サンタマリヤ。今も我らが最期にも、我ら惡人の爲に頼み給へ。アメン。」

弟:このオラシヨは誰の作り給ふぞや。
師:†サンガビリヱルアンジヨ(大天使ガブリエル)、貴きビルゼンマリヤ(乙女マリヤ)に御告げを為し給ふ時の御言霊と、サンタイザベル(聖ヱリザベト)、ビルゼンマリヤに言上せられたるコトバに、また、サンタヱケレジヤのコトバを添へ給ふを以て編み裁て給ふオラシヨなり。

キリスト


弟:御母ビルゼン(乙女)は、誰人にて御坐ますぞや。
師:神の御母の爲に選び出され給ひ、天に於ゐて諸々のアンジヨの上に備へられ給ひ、諸善充ち満ち給ふ恒久にて御坐ますなり。これによって、御子ゼズキリシトの御前に於ゐて、諸々のベアトよりも優れて御内證(ごないしょうココロの内で真理を悟る事)に適ひ給ふなり。それによって、我らが申し上げる理を仰せ適へらるゝが故に、各々キリシタン深く信仰し奉るなり。

弟:何によってか、御母サンタマリヤに對し奉り、百五十反か、または六十三反かのオラシヨを申し上げ奉るぞ。
師:六十三反のオラシヨは、御母ビルゼンの御年の數に對し奉りて申し上げるなり。また、百五十反のオラシヨは、十五の†ミステリヨ(玄義)とて、五ヶ條は御喜び、五ヶ條は御悲しひ、今五ヶ條はグロウリヤの御理に對して申し上げ奉るなり。この十五ヶ條の題目は版木に開きたる一誌に有り。

キリスト


弟:†アルタル(祭壇)に備わり給ふ女人の御姿は、誰にて御坐ますぞ。
師:天に御坐ます御母ビルゼンマリヤを思ひ出し奉る爲の御影なれば、敬ゐ奉るべきものなり。

弟:このビルゼンサンタマリヤの御影、その品多き如く、その御體も數多御坐ますや。
師:その儀にあらず。ただ天に御坐ます御一人のみなり。

弟:然らば人々、難儀に及ぶ時、或ゐは御憐れみの御母、或ゐは御功力の為されて、或ゐは悲しむ者の御喜ばせてなどと、樣々に呼び奉る事は何事ぞや。
師:別の仔細無し。ただ御母の御執り成し、デウスの御前にて良く叶ひ給へば、御憐れみの御母にて御坐ます上より、種々の御忍を與へ給ふによって、是の如くに唱へ奉るなり。

マリア観音


弟:アベマリヤのオラシヨをば、誰に向かひて申し上げ奉るぞ。
師:貴きダウミナビルゼンマリヤ(聖母乙女マリヤ)に囘向仕るなり。

弟:何事を乞ひ奉るぞ。もし我らが科の御赦しを乞ひ奉るか。
師:その儀にあらず。

弟:ガラサかグロウリヤをか。
師:その儀にもあらず。

弟:然らばこれらの儀をば誰に乞ひ奉るぞ。
師:我らの御親デウスに乞ひ奉るなり。

弟:御母には、何事を乞ひ奉るぞ。
師:これらの事を求めんが為に、御子にて御坐ます、御あるじゼズキリシトの御前にて御取り合わせを頼み奉るなり。

第五 サルベレジイナの事
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