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第十 七のモルタル科の事

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弟:デウスの御掟のマンダメントとサンタヱケレジヤマンダメント(聖教会戒律)をば、早教え給ひぬ。さてまた、モルタル科は幾つ有りや。
師:科の品は多しと雖も、萬の科の根元となる科は七有り。

一には、驕慢(きょうまん)。
二には、貪欲(どんよく)。
三には、邪淫(じゃいん)。
四には、瞋恚(しんに)。
五には、屯食(とんじき)。
六には、嫉妬(しっと)。
七には、懈怠(けたい)。是なり。

これを全てモルタル科と云ふなり。

第十 七のモルタル科の事

弟:これらの科を惣じてモルタル科と云ふ事如何に。
師:凡そ、これみなモルタル科なりと雖も、事によりてベニアル科となる事多し。

弟:モルタルと云へる謂はれは如何に。
師:モルタルとは、死ぬるを授くると云ふココロなり。アニマの一命は、デウスのガラサより受け続き奉るなり。モルタル科はアニマの命を断つによって、モルタルと云ふなり。然れどもアニマの正體は終はる事無き物なれば、死ぬるを授くるとて、その時終はり有りと思う事なかれ。ただ何時までも苦しみを受ける所を指して死すると云ふなり。

弟:モルタル科は、アニマの爲に如何なる損となるぞや。
師:その損多き中にも、取り分き御創り者デウスを取り放し奉り、御約束のグロウリヤ、數多は御あるじの御血を以て救ゐ給ふ、我がアニマ色身共にインヘルノに沈め、御あるじゼズキリシトの御パッションの御功力と、また、モルタル科に穢れずして至る間に、勤めし所の善根の功徳を失ふものなり。

弟:モルタル科を犯す時はヒイデスを失ふや。
師:その儀にあらず。右に云ひし如く、モルタル科を以て、デウスのガラサを失ふと雖もヒイデスをば失はず。その故はヒイデスを失ふ未知は、ヒイデスの事を何れなりとも信じ奉らぬ事なり。それによってモルタル科を犯すとても、キリシタンの翻す事にはあらず。

弟:モルタル科を以て、デウスのガラサを失ひ奉るに於ゐては、ヱケレジヤへ參りオラシヨを申し、善事善根を致す事も益無しや。
師:少しもその儀にあらず。その時こそ、ゐよ/\歩みを運び、オラシヨを申す力の及ぶほど、善事をすべき事肝要なれ。その故は、その時尚難儀に遭う故なり。その他、善事より出る功徳これ多し。取り分き我が身を省み、科を後悔し、以後二度犯すまじき爲、また、御あるじより息災財寶を與へ給ふ爲に、大きなる便りとなるなり。

弟:モルタル科を赦さるゝ道は如何に。
師:科は、デウスに對し奉りての狼藉なるによって、それを悔ゐ悲しひ、以後二度犯すまじきと思ひ定め、やがてコンヒサンを申すべき覚悟を以て、科を悔ゐ悲しむ事。これ†コンチリサンとて、科を赦さるゝ道なり。

弟:ベニアル科とは何事ぞ。
師:モルタル科よりも軽き科なり。これ即ちデウスのガラサを失はずと雖も、デウスの御大切と御奉るに勧むココロを忽(ゆるがせ)に為すが故に、モルタル科の端となるなり。

弟:これらの科をベニアルと名付くる事は如何に。
師:ベニアルと云ふは、赦し易きと云ふココロなり。この科を、デウスより容易く赦し給ふによって、ベニアルと云ふなり。

第十一 サンタヱケレジヤの七のサカラメントの事
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